サマーインターンの応募数を3倍にした母集団形成戦略|中堅IT企業A社の事例
はじめに
新卒採用において、サマーインターンの 応募数(母集団規模) はその年の採用成果を大きく左右します。本選考期に十分な応募者がいない状態では、後段でいかに歩留まりを改善しても、最終内定者数の上限は決まってしまうからです。
本記事では、年間採用30名規模の中堅IT企業A社が、サマーインターンの応募数を前年比 3倍 に伸ばした取り組みを事例として紹介します。
※本記事は、複数の支援事例を元に再構成した架空のケーススタディです。
A社が抱えていた3つの課題
A社は社員数約400名、創業20年の中堅SIerでした。サマーインターン応募数は前年70名と、目標200名に対して大きく未達。具体的な課題は次の3点でした。
- ターゲット学生の解像度が低い:「文理問わずITに関心のある学生」と曖昧
- チャネルが大手ナビ媒体に偏重:ナビ媒体の中堅企業ページは埋もれる
- コンテンツが説明会ベース:他社と差別化できる訴求軸がない
戦略①:ターゲット学生の解像度を上げる
最初に着手したのは ターゲット学生像の徹底的な明確化 です。
過去3年の入社者データを分析した結果、活躍している社員に共通する学生時代の特徴が浮かび上がりました。
- 大学のゼミ・研究室でリーダー経験あり
- ハッカソン・コンテスト等の 小規模で成果が見える場 での活動経験あり
- 「ものづくり」よりも 「仕組みづくり」 に関心が強い
このプロファイルに基づき、「仕組みづくり志向のリーダー型学生」 という明確な訴求対象を設定しました。
戦略②:チャネルミックスを再設計する
ターゲットが明確になると、効果的なチャネルも見えてきます。A社が選んだのは以下の組み合わせでした。
| チャネル | 採用前 | 採用後 |
|---|---|---|
| 大手ナビ媒体 | 100% | 30% |
| ダイレクトリクルーティング | なし | 35% |
| 産学連携イベント・大学訪問 | なし | 20% |
| 採用ブランディング記事・SNS | なし | 15% |
特に効果が大きかったのは 「ダイレクトリクルーティング」 と 「大学のゼミ訪問」 です。前者はターゲット学生に直接アプローチでき、後者は紹介経由で母集団が広がりました。
戦略③:コンテンツの全面刷新
母集団を集めるための 入口コンテンツ(インターン紹介ページ・PR記事) を全て作り直しました。
従来のコンテンツの特徴:
- 会社紹介・事業説明が中心
- 募集要項とプログラム概要のみ
刷新後のコンテンツの特徴:
- 「インターンで何を持ち帰れるか」を冒頭で明示
- 先輩社員のキャリアストーリー(特に新卒入社3〜5年目)を全面に
- インターン参加学生の振り返り動画を5本掲載
- プログラム設計者(社内の人事責任者)の想いを掲載
つまり、「企業が話す」から「学生に届く」コンテンツへの転換です。
結果
3か月の施策実行で、応募数は次のように変化しました。
| 指標 | 前年 | 取り組み後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 応募数 | 70名 | 211名 | 3.0倍 |
| ターゲット適合率 | 25% | 62% | +37pt |
| 本選考エントリー率 | 15% | 38% | +23pt |
| 内定承諾率 | 60% | 78% | +18pt |
注目すべきは、応募数だけでなく 質(ターゲット適合率・後段の歩留まり)が同時に改善 していることです。
学び:母集団形成は「数」より「質×数」
A社の事例から得られる最大の学びは、母集団形成はターゲット定義から始まる ということです。
「とにかく多く集める」では、結局歩留まりが悪く、人事コストも大きく膨らみます。ターゲットを絞り込み、そこに最適なチャネル・コンテンツを当てる ことで、量と質が両立できます。
まとめ
サマーインターンの応募数を3倍に伸ばすために必要だったのは:
- ターゲット学生像の解像度を上げる
- チャネルミックスをターゲットに合わせて再設計する
- 入口コンテンツを「学生に届く」内容に刷新する
新卒採用ハックでは、母集団形成戦略の設計・運用支援を承っています。応募数や質に課題を感じている場合は、お気軽にご相談ください。